たかお

SUPER HAPPY FOREVERのたかおのネタバレレビュー・内容・結末

SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

亡くなった人にフォーカスを当てるわけでもなく、その土地で過ごされた、満ちる幸せが主題になってて、だから主人公が映画内で2回も変化していて、その軽やかさが心地よかった。
ゆるやかに暮らすことだけではない、バカンスにおける幸せのみを肯定しているわけではない。だからこそリゾート地が舞台になっているなと思った。
海と伊豆熱海の景色がそこにあるだけ。そこで働きながら暮らす人にとってもそれは満ちる幸せのきっかけであったのも良かった。
悔しいほどに''atami core''を感じた。何度も衰退した歴史から滲み出る、少し退廃的な土地の色と、うるさいほどの波の音で耳鳴りが聞こえてくるような時間。
客室の布とたたみの香り。
リゾート地という側面ではない、さらに根深い場所の重みが漂っていた。
だからこそ、人が軽やかにみえる。その対比。
偶像に頼らなければいけない、誰かの存在がなくてはならない、赤い帽子を見つけなければならない。
いろんな絶対条件がないと幸せが来ないわけではないのに、引き伸ばされた過去に閉じ込められてしまう苦しさを教わったけど、案外今はポジティブで、じゃあ、幸せがずっとずっと、毎秒続くようにするしかないと。思った。大切に。
カップラーメンのシーンが結局ピークになってた。それも狙いなのだろうと今では思う。
あと、旅行しながらZineを友達と作るし、クラブは気負いせずに素直に人と楽しみあえる場所っていう価値観が妙に一致していて、ゾッとした。しかし、アラサーでもアラフォーでもこの価値観は動かぬものであったら幸せだなぁ、とも思うわけだ。

追記:どうしよう!!この映画! 時間が経てば経つほど、涙が出てくる!!!
幸せの中にいたら気づかないみたいな現象が生活にまで迫ってくる!!
つらい…ゆっくりとこのまま5年が経ってゆくのか
たかお

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