タシカニ

ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピースのタシカニのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

レゴムービーという何にも縛られない形式を存分に生かしていた。共感覚やファレルが語る妄想をそのまま映像にしたりと、ユーモアや想像の斜め上をいく演出が終始一貫していてよかった。

ベースとしては、現在の本人と関係者へのインタビューと過去への回想を行き来する形式で、彼の人生のターニングポイントとなる瞬間をピックアップし、90分で簡潔にまとめたハイライト的なストーリー。
プッシャTとの関係性やエピソードなどこの映画で知れたことも多々あった。

少年時代から風変わりで音楽大好き、かつみんなから愛されるキャラなのが伝わる。
売れっ子としてプロデュースの依頼が増えても、自身の曲を出してデビューすることに対してはまだ恐怖や葛藤があり、迷走した時期もあったというのは意外だった。

また、おそらく彼の認識として自分自身を根っからのストリートではないと思っているというのが興味深かった。あくまでストリートの外にいて、そのカルチャーの特に音楽の部分を愛している人間だからこそできるプロデュースになっていると思うと納得感もある。

中盤以降ダフトパンクとのGet LuckyからのHappy、ケンドリックのAlrightと、時代を象徴する複数のワールドクラスのメガヒット曲のプロデュース。伝記物としてのストーリーの流れがスムーズでいて、かつマストなポイントをきっちり抑えているように見える。
ただ、それに準ずるようなヒット曲を他にも幾つもプロデュースしていること、ファッションの側面が控えめだったことが恐ろしい。

また、チャドとの仲直りは涙がちょちょ切れる嬉しいシーンだった。

完全に個人的な感想だけど、SNSで死ぬほど見たファレルとJTがrock your bodyのフックを思いつく激アツな映像が再現されてたらそれだけでぶち上がっただろうな
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