主人公の名前はフランツ・ビーバーコップだが、これは「ベルリン・アレクサンダー広場」の主人公と同じ。
アレクサンダー広場のフランツは、妻を撲殺して服役し、出所後は真っ当に生きようとするが、貧しさの中でままならない。その中で、フランツはラインホルトという若い男に出会い心酔するが、彼に従うことで結局犯罪に手を染めることとなり、右腕と恋人を失い、精神を病む。そして、最後は社会の歯車の一員になることで心の安寧を得て終わる。
これに対して、本作のフランツは、お金を得たことにより自由と恋人(ラインボルトに似ている)を得て、お金を失うとすべてを失う。
この対比を考えてしまう。オチは修羅そのもの。