藤田武彦

半落ちの藤田武彦のレビュー・感想・評価

半落ち(2003年製作の映画)
3.1
妻を殺してしまった元警官。
空白の2日間、何をしていたのか...?

ドラマを駆動する中心となるポイントだが、明かされる動機に説得力がない。
動機に目をつぶったとしても、ドラマを反転させる材料になり得ていない。


ドラマの代わりにテーマ性はどうか。
家族の命を自らの手でうばうこと。
重たいテーマであるが、それに目を据えて描くことをしていない。

夫と妻には年の差があるようだ。
年老いた男が、若い女の命をうばうこと。
その心情を、しっかりと描いてほしい。

「魂があってこその命」
吉岡秀隆が小さな声で訴える。。。
(傍聴席には、原作者の横山秀夫のそっくりさんも。
聞いて次のシナリオに活かしてほしい(^^)


役者陣の演技は良く、ドラマに空気感を与えている。
寺尾聰など、抑制された中に、こめかみ一つや下まぶた一つの筋肉で緊張を表現するなど、芸が細かい。
役者を観るのが好きな人にはよいだろう。
ただし、それ以上のものがない。
藤田武彦

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