ヴェルヴェっちょ

エリン・ブロコビッチのヴェルヴェっちょのレビュー・感想・評価

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)
3.8
人名をタイトルにするって潔い。「余計な説明は不要」って感じで。

カリフォルニア州にある小さな町。
エリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)は元ミス・ウィチタの美貌ながら、離婚歴2回、3人の子持ちながら無職。
職探しに出た採用面接の帰り、追突事故に巻き込まれた彼女は、引退を控えた弁護士エド(アルバート・フィニー)に裁判の弁護を依頼するも、公判での悪態が災いし和解金を取り損ねる。
職もなく貯金も尽きかけた彼女はエドの法律事務所へ押しかけ、強引に彼のアシスタントとして働き始める。
書類整理中、彼女は不審なファイルを見つける。不動産売却の書類になぜか血液検査の結果が添付されていたのだ。
孤軍奮闘して調査した結果、大企業PG&E社の工場が有害物質六価クロムを垂れ流しにしている事実を突き止める。
病に苦しむ住民たちを目の当たりにしたエリンは、気乗りしないエドとともに、住民たちを訴訟に持ち込むよう説得に奔走する…。

ジュリア・ロバーツ熱演のエリンがどん底から破天荒の活躍で大企業に立ち向かう。
法律の素人である彼女が「弁護士は物事を複雑にしてばかり」と一喝して所属事務所に痛烈な批判を浴びせるのも爽快。
感情的になりやすいエリンを諫めながらも、次第に理解を深めていくエドもいい。

実話を基にしているだけあって、係争の煩瑣な手続きや証拠集めの苦労など、細部までリアリティ十分。

エリンの凄さは、地頭で考える柔軟さだけでなく、係争を耐え抜く持久力。係争は長期戦だ。
そして、エリンの子育てをサポートする隣人ジョージ(アーロン・エッカート)との関係が微妙になっていくところなど、私生活を犠牲にしているところもリアリティ十分。
決してスカッとするだけの単純な映画ではなかった。