このレビューはネタバレを含みます
「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
結局IMAXじゃなく、通常上映で観た。1作目でルシウスがマキシマスとルッシラの息子ということは全く言われていなかったので、取ってつけたような設定には違和感を覚えたが、もともと高かった期待を優に超える素晴らしさだった。
冒頭、ローマ軍が城壁に乗り上げるシーンの迫力には圧倒された。このシーンが映画の中で一番凄いし、一番期待していたシーンでもある。リドスコの前作「ナポレオン」でも城壁を破るシーンがあったが、こちらの方がずっと迫力がある。血を浴びまくったペドロ・パスカルがまたドチャクソにかっこいい。
凶暴ザルとの戦い。前作で奴隷となったマキシマスが闘剣士として初めて闘うシーンに相当するシーンなのだが、これは正直、微妙だった。CGが前作のトラが襲ってくるシーン以下で残念。ここだけ予算がなかったのか。
コロッセオのシーンでもサイやサメなど奇をてらった演出が多かったが、前作同様に人との戦いでいいんだよな。皇帝がホアキン以上に狂人だから演出も狂気じみていなければいけないのだろうけど、すごく違和感を感じた。
そんなわけで、コロッセオでのシーンは突っ込みどころ満載でもあるのだが、双子皇帝、ゲタ帝とカラカラ帝がどちらも混沌としたローマを具現化したかのような狂人として、その魅力を余すことなく描いていたところが好印象。特にジョセフ・クインの演技が素晴らしかった。
こんな大作でお目にかかるとは思っていなかったポール・メスカルや既にオスカーノミネートの可能性も高いと言われているデンゼル・ワシントンも素晴らしかった。
無理やりな脚本を俳優の演技力に頼り切っているような気もしなくはないが、アクションとバイオレンスの効いた、この類の作品の続編としては十分な作品だった。
ラッセル・クロウのサプライズ出演がなかった(過去映像はあったが)ことが本当に良かった。