面倒なので3章まとめての感想。
周囲の反応を見ると1stより評判がいい感じだったが、まあ個人的にはそこまで…
最初のストレイライト&ノクチルは確かにまあまあよかった。特に前者はユニットが結成される経緯もある程度は描いて、派手なライブパフォーマンスもあったし。
ここにおける問題は、半端に話らしいことをやると、それだけに原作と比較して描写の不足が際立ってしまう点。この作品は全編通して原作ファンでないとキャラを理解できないと思うが、知っていればいたで尺不足が目に付く。
冬優子がキャラ作りしている理由や、彼女があさひにどういう感情を抱いているのかとか。あさひが他ユニットのダンスをコピーしてる流れもなんだかよく分からなくなっていた。
特にノクチルは明らかなやらかしがあったわけで、かなり丁寧にやらないとイメージダウンになりかねない。本作が上手く扱えていたかというと、甚だ怪しい。
単純な脚本だけで言うなら、咲耶回から連続する既存ユニットの原作エピソードは、元の話がいいだけあって評価できる。しかし、2ndで一番がっかりしたのは実はここ。
何と言ってもほぼつまみ食いでしかなく、話がそう進行する説得力がない。1stからそれを深掘りすべきだったのに、不要なカットや話がなかったか…?と言いたくなる。
咲耶が寂しい思いをしていたとか、それをためこんでしまうとか、本作だけ見て分かるはずがない。何か悩みがある時にプロデューサーを頼るとかも、彼自身の人間性がちっとも見えないので納得できない。
愛依の正体バレがどう決着したかとか、絶対に削ってはいけない部分すらない。
アルストロメリアにしても、反対ごっことか上手くやらないと「馬鹿なのか、こいつら?」ってなりかねないわけで。結局、本作では深められてもいない各ユニットの話が唐突に始まって、キャラ同士の関係性もさして見えていないので、はあ…?って感じだった。
上記を尺不足で擁護するとしても、演出のセンスのなさも驚いてしまった。1stのしっとりして地味というか陰気な雰囲気は、こういう話をするのにはあっていた。なのに、咲耶回は何故かEDで今までやっていなかった「はい、ここで泣きます!」みたいな曲を流して、テロップでポエミーな文言(サブタイトル?)を表示する…。いや、ダサ過ぎるでしょ。
1stの雰囲気をそのまま引きずっていれば、演出としてはあっていたのに…
このフォーマットは、「薄桃色にこんがらがって」以降の原作つまみ食い回でも継承されていき、EDを見るたびにがっかりしてしまった。
最終回では大人数のライブでなんとなくそれなりのものを見せてもらった感はあった。けど、何の話をしていてああいう展開になったのかちっとも思い出せない。
何故か真乃と浅倉が仲良くなっていたが、本作の真乃は何を言ってるのかちっとも分からんし、浅倉は元々そうなので、何故そうなったのか理解できなかった。だって、樋口のことすら描写ないんだぞ。
最終回でも真乃のおかげ的な発言をしていたが、何を言っていたのか思い出せないし、実は何も言ってなかったとしてもさして驚きがない。
本当にどうしようもない作品ではないと思う。けど、話は面白いかなと思ったら原作がよかっただけで、それは尺不足で説得力がない。しかも演出は寒い。
かと言って、本作オリジナルと思われる要素は、何をしているのかよく分からない…と、正直そこまで1stよりよくなったとは思わなかった。