デニロ

午後の遺言状のデニロのレビュー・感想・評価

午後の遺言状(1995年製作の映画)
4.0
95年の作品。当時、岩波ホールで映画を観るのが苦痛だった。今でも行きませんが。20年前。サラリーマンとして最前線だった頃。こども達も小学校入学前。時間を作ってまで観に行こうとしなかった理由。でも評価が高かったから気にはしていた。

新藤兼人作品だから老人のエロスなどというものを描いているのだろうと想像していたけれど、生への渇望のようなものが大きく占めている。

新藤兼人が乙羽信子に捧げた作品になるそうだが、二人の関係も相俟って敬意に満ちたものになっている。杉村春子が納棺の際の釘打ちの時に使ってくれと預けていった石を捨てに行く場面。監督がどんな思いで撮っていたのか。無念さが伝わってくる。
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