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CURE キュアのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

CURE キュア(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

催眠術によって洗脳し人殺しさせる。
そんな特殊な能力を持つ男は記憶喪失で、自分のことも誰だか分からないと言う。

その男は、ライターの火やコップから溢れた水の動きを見せることで相手の心に入り込み、その者が深層心理に抱く感情を呼び起こしたり、ある一定の行動を強制させたりする。さらに、無意識に自分が思っていることを顕在化させたり、思ってもいないことを植え付けたりする。

しかもその過程で起こったことはキレイに忘れてしまう。

事件の特徴は、胸を✕型に切り裂くというもの。
それが一件だけなら「そういう殺人事件」で収まるが、連続して、しかも犯人に共通点がないとなるとそうはいかない。

刑事はこの事件の真相を追う。
そうする中でも続く殺人事件。警察が警察を銃殺したり、内科医が無差別殺人をして喉を割いて解剖したり、奇怪な事件が続く。

催眠術を使った男は逮捕されるが、取り調べの中で、刑事は男の術中に嵌っていく。
言わなくてもいい自分の境遇を語り、自分の奥底に眠る妻の殺人という願望や伝道師として「伝えていくこと」を植え付けられる。

そこから、時間軸が曖昧になり、現実と非現実が入り乱れたわけのわからない状況となる。

刑事は自分の妻がうつ病で仕事の傍ら看病しなければならないことに疲れ、妻が自殺する姿を見たり、心理学者の男も妄想に取り憑かれ壁に✕の字を書いたりする。

やがて心理学者の男は自殺する。
片手に手錠をかけ、包丁で自分の喉から胸にかけて✕の字に切り裂いたのだ。

刑事は逮捕された男を逃す。
そして男の隠れ家で待ち伏せては、男を銃殺する。
男は正義感と催眠術の狭間に喘ぐも、完全に操られてしまう。

妻は胸を✕型に切り裂かれ、彼の行ったファミリーレストランではウエイトレスが包丁を持ち出し誰かを狙う。

最後の妻の死は、刑事が誰かにやらせたのであろう。

こうして、他殺を強制する催眠術は伝染する。
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