のんchan

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWNののんchanのレビュー・感想・評価

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)
4.1
初日初回のチケットを購入して楽しみにしていたのだが...
その前日に母が亡くなり...
上映中には必ず観たいと、皆さまのレビューを今まで我慢してスルーしておりました。


生ける伝説ボブ•ディランは聴いていたわけでもないし、偉大で尊敬されているけど、ノーベル賞の騒ぎなど、頑なで風変わり、思想的な歌詞を書く信念のあるシンガーってイメージでした。

しかし昨年『ローリング•サンダー•レヴュー/マーティン•スコセッシが描くボブ•ディラン伝説』(2019)のドキュメンタリーを観てから虜になりました。

よってティミーが5年間研究し尽くした成り切りディランをどうしてもスクリーンで浴びたいと思っていたのです。

40曲全てをティミーが歌って、ギターを弾きハーモニカを奏でる。歌い方だけでなく声まで似せる。
仕草や癖の一つ一つを完璧に体現していましたね。
そして、役作りのため9kg増量して臨んでいたんですね、いつもより確かにガッチリしていて良かったです、本当に素晴らしかった。


内容は1961年に19歳でミネソタからニューヨークに到着してから、1965年のニューポート•フォーク•フェスティバルまでの4年間。飛ぶ鳥落とす勢いで人気が上がっていく軌跡を描いている。

ディランは憧れのウディ•ガスリーを病院に見舞い、そこでピート•シーガーと出会う。病室で歌うと2人から一発で才能を見込まれる。
その後、既に人気者のジョーン•バエズと出会い、共に歌うようになる。その関係性や当時の彼女が登場しますが、モテないわけないです。女性遍歴が浮かぶな〜

当時はまだまだ偏見や差別が酷かった時代、しかしエネルギュシュな奔放さや寛容さもあったのが伝わって来ます。
フォークから始まった音楽活動だったが、ディランの中では狭いジャンルに収まりたくない、エレクトリックな音を出してファンからブーイングを浴びたり...彼はフォーク、ブルース、ロック、R&Bのジャンル枠を決めるのでなく、自由に拘りなく自分らしい音楽を作りたい願望が最初から強かったんですね、初期の歌詞、素直に良いです。

ジェームズ•マンゴールド監督の卒のない構成、成り切りティミー、温厚なフォークシンガー役エドワード•ノートン、美しい声のモニカ•バルバロ、可愛いエル•ファニング、あ〜劇場で観れて良かった。
のんchan

のんchan