このレビューはネタバレを含みます
鑑賞直後感想。忘れないうちに。
映画の存在を知って、監督、脚本を知って、慌ててチケットを予約して鑑賞。
最高に好きな映画でした。
まだ2025年始まったばかりだけど、きっと年末も言ってる。今年1番好きな映画。
書きたいことが多すぎるし、細かい部分をどんどん忘れていくから悲しい。。
とりあえずネタバレするので、注意。
安定の塚原監督と、おもしろすぎる坂元節の会話劇。派手なシーンはひとつもないのに、中だるみもなく終始笑っているか涙を流していた。
松たか子は、女優としてすごくきれいなのに普通に存在しているような女性の演技がうますぎる。独り言で口調変わるのとかめっちゃわかる。
そして、松村北斗。ほぼほぼ2人の会話で構成されている映画だけど、役者として、役として2人の相性がぴったりで会話が心地いい。考古学を研究してるバリバリ理系の北斗が、いるいるこういう人感と自分に重なる部分があって少しぐさっと。
それ以外の役者は2人に比べるとシーンが少ないけど、2.5次元舞台で松たか子と一緒に仕事をしていた森七菜がかなりハマってた。
恋とアドバイスは最もかけ離れたところにある、という松たか子へのアドバイス。たしかに!と思うと同時に物語的にもグッドアドバイス。ありがとう。
元々時間を扱う作品が好きなので、坂元脚本だとどうなるかと思っていたけど、原理的な複雑な部分とタイムリープ描写がいい感じに省略されていて、時間遡行自体に頭を使わずに見れるようになっていたのが素晴らしい。
それでいて、15年前に戻ったという証明としてのオバマ大統領やガラケーが簡潔でいい。そしてなんと言っても、タイムリープした回数を表す子供のチェキ(?)が秀逸。
今のセリフもう一回聞きたい、などのタイムリープ大喜利で、チェキのシャッター音で今またやり直したんだということが明示的にわかる。発覚後の、こんなに何回も?!という部分でも視覚的にわかりやすく使われていてよかった。
最終リープで、まさかカケルにバレるとは思わなかった。そうなるとどうなってしまうんだ、、って気持ちで見てたけど、カケルの頭脳や性格を考えるとあの受け入れ方も納得できるし、15年前のカケルと15年後のカンナが夫婦喧嘩をしているシーンも緊張感なく微笑ましかった。ここはすごく好きなシーン。
15年後のカケルを彷彿とさせる少しピリッとしたセリフも垣間見えたのがリアルだったけど、それを知っているカンナがうまくたしなめたり、夫婦だなーと思わされた。
個人的には、それだよ、そういうとこだよって言われるのも辛いな。そうなんだけど。
それからのカケルの人生は幸せなものになって本当によかった。
結末も、タイムリープ作品として時間理論に敬意を払っているし、物語としても美しい。
15年後の結果は変えられないが、15年間の過程を変えることができた。数多のタイムリープも決して無駄ではなかった。
最後に手紙を読んでいるカンナは、タイムリープしていたカンナではなく、最終リープ後のカンナと出会ったカケルと幸せな日々を過ごしたカンナだったんだろうな。そうなると、今までの苦労したカンナはどうなるのかと思われるけど、どのカンナもカケルも同じ時間に存在している。そこは深く考えなくてもいいかなと思った。
靴下と付箋と柿ピーと餃子。
こういう細かいアイテムを効果的に使うのがうまいなぁ。餃子が代引きじゃなくなっていたってことだけで、こんなにもじんわり泣きそうになるとは。ずるい。
まだまだ語り足りないけど、語りすぎました。
この作品が好きな人と語り合いたいです。
そんな作品でした。