このレビューはネタバレを含みます
後悔だらけの結婚生活で結局離婚することを選んだ二人。
離婚届を出す前に、夫の駈(松村北斗)はよその赤ちゃんを助けて、自分が死ぬことに。
ひょんなことからタイムリープできるようになった妻のカンナ(松たか子)は駈が死なない方法はないか何度も試行錯誤する。
ついに29歳の駈と結婚生活における後悔を話すことができ、駈はカンナとの結婚生活を大切に過ごそうと決意して…。
結論が変えられなかったとしても、結婚相手を大切に慈しんで生活した15年間は本当に素敵な時間で、駈の大きな愛が印象的でした。
相手が亡くなって、『寂しい』と思う原因は、そもそも相手を好きになったこと、その相手と一緒にいられることが奇跡みたいに素晴らしいこと。
この感情は夫婦に限らず、親子や友達でも同じことだろうな。
20代の駈がとっても可愛かった。
カンナにフラれるシーンの表情が、本当に印象的。
特に好きだったのは風邪で看病しあうところ。
最後の手紙で涙腺は崩壊でした。
松村北斗はやっぱりその役を生きる素晴らしい俳優だなと思いました。
私は実は坂元作品がイマイチ苦手で、カルテットや大豆田とわ子と三人の元夫など、ドラマは見ていたものの、はまりはしませんでした。
早口で面倒臭いタイプの登場人物がたくさん出てきて、痛々しいような気がしてしまって。そこがきっと坂元作品の魅力だと思うのですが、単なる好みの問題です。
でも、今回は塚原監督の演出だったからか、いつもの苦手感は全く感じませんでした。
塚原監督の作品に対する温かで真摯な姿勢が大好きなのですが、今回もそれを感じました。
私は独身ですが、多分、20代でも30代でも、もし結婚していたら、はじめのこの夫婦のように後悔する結婚生活を送ったのだろうと思います。
なぜなら相手や自分を大切にするということがどういうことかわかっていなかったから。
自分のことで必死になってしまうし、生活を楽しむということもわかっていなかった。
一人が好きで、相手の機嫌に左右されることも苦手。
きっと今なら、大丈夫だと思う。
そんなことも考えました。