アオヤマ

ファーストキス 1ST KISSのアオヤマのネタバレレビュー・内容・結末

ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

予告編は別映画鑑賞時に見ていて気になってはいたが、友人に熱く勧められたため急遽、映画館で鑑賞。

個人的に"恋愛"映画は苦手、"家族愛"映画もあまり…なのだが、それでも楽しめた。その上、涙脆いこともありびしゃびしゃに泣いてしまった。

今回は"恋愛結婚をした夫婦"の話だが、「タイムリープして、大切な人を助けられるとしたら」という問い自体は本来、相手の続柄は関係ない。この(非現実ながら)大きく重たい課題をどう乗り越えるのかを時に愛らしく、時にコミカルに、時に切なく描いていた。
私が最後までこの作品を心地良く楽しめたのは、この描写の豊かさが理由の一つだ。もちろん恋愛・家族愛的描写もあったが、その枠から溢れ出る「大切な人への愛」をいろいろな形で楽しんだ。
また、この描写の緩急によりダレること無く飽きずに見られ、いつの間にかクライマックスに辿り着く。

そのクライマックスで、精一杯の愛の形を見たと思ったら、その愛をさらに超える究極の愛が降り注がれる。眩しさで視界が揺らいだ。
ここまで強い運命というか、惹かれ合ったからこそ、この映画の結末は悲しみも含まれたモノに落ち着いたのだと考えている。しかし、その『悲しい結末に嘆くのではなく、そのまでの過程を愛で溢れた大切なものにしていく』。
この結論は、純粋ながら達成するのは難しい。が、その結末を叶えるキッカケを作った妻、キッカケをもとにそれを叶えきった夫だからこそのラストシーン。切なくも温かな物語となっていた。
今回は夫婦だったものの、そんな、愛をたっぷり注ぎ合える相手と出会える人生は憧れる。

松たか子はもちろん、松村北斗も演技が素晴らしかった。
特に、松村北斗の出演作品をじっくり見たのは今回が初だったこともあり、彼の丁寧な演技には舌を巻いたし、事前に噂に聞いていた通り松村北斗を好きになりそうになった。愛らしい役を愛たっぷりに演じていた。

一部、見ていて拾いきれなかったのか、ストーリー内で疑問に思った展開があった。特に終盤の展開は、感情を揺さぶられまくっている鑑賞者の視点では、その場では追いつけない展開もあったように思う。それでもたっぷり楽しめたものの、彼女たちの軌跡をより堪能したいので、涙を拭きながら個人的に振り返ってみようかなと思っている。
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