ピロシキ

ファーストキス 1ST KISSのピロシキのレビュー・感想・評価

ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)
4.3
塚原作品はじめまして、坂元脚本おひさしぶり。冒頭から「付き合ってる時がMAXで、結婚してから減点方式になっちゃうの、なんかイヤっすよね〜」的な台詞にハッとして、無意識に減点方式で映画を観るようになっていた自分になんだかウンザリさせられた。しかしまぁ、冒頭から「減点してえ…」と思わされる要素はたくさん。彼らの言動に「ん?」行動に「え?」そして決断に「は?」といちいち突っかかってしまいそうになる。それにやっぱりタイムリープものはどうしても辻褄合わなかったり矛盾したりで、都合の良すぎる展開は気になっちゃうものである。

でももう、重箱の隅を突くのはやめておく。だって松たか子に「なんか知らないけど、どうやらそうなっちゃってるみたいです」なんて言われたらもう、ぐうの音も出ないわよ野暮よ野暮。そこから先は言葉のひとつひとつがいちいち面白くて仕方ない、の境地に無事到着した。落ちてる新聞拾い上げて「オバマ…」とか言ってるだけで超面白い。そして急にボールペン2本出して机にポンと置いて「これが私たちです」とか言ってるとことかもう最高にシャラくさくてサカモト〜‼︎って感じだった。

W松のコンビネーションと、坂元作品ではなぜかやっぱり幸せになれない吉岡里帆をはじめ、キャストの技巧を楽しむだけでも満腹の2時間。名作『夜明けのすべて』に引き続き、SixTonesのうまいことうまいこと。目に涙をいっぱい溜めて立ち去るところとか。
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