2025.01.19
(一応)予告を見て気になった作品。
まだまだ肌寒い日々が続くというのに、人肌が恋しくなりそうな今作を鑑賞です。
同名楽曲はいつの間にか知っていて、とある時期にしぬほど聴いたほどの曲。
同じ曲の世界観に着想を得た、’24年放送のテレビドラマは見ずじまいでしたが、まぁ影響はないでしょう。
2024年、沖縄。
病床に伏す美海と、彼女を看る夫の琉晴と娘の陽葵。
美海に残された時間が残り少ないことを悟った琉晴は陽葵に、東京に行ってある人に会うよう頼む。
一方美海は、高校時代に出会い、初めて恋をした先輩、湊のことを追想していたー。
……。
コレ純愛か?
気になるところもたくさんあるし、ストーリーラインや演出なども、どこかで見たことがあるような、’00年代の恋愛作品やケータイ小説をそのままなぞっているだけのような感じで、そんなにエモの安売りをしないでくれと思いました。
まぁ良かった点から、少ないですが。
個人的な見どころとしては少年少女キャストたちですかね〜
今作でいうと今大注目株の一人、齋藤潤くんと、エンドロールまで気付かないほど大きくなった稲垣来泉ちゃん。
出番は少ないし作中の行動も大人キャラに踊らされすぎで何してんの感も大アリでしたが、しっかり存在感を発揮してくれていましたね。
楽曲の個人的な解釈としてはフラれた側の心情を歌った失恋ソングで、もしや美海目線だなんてことを言うのではないかと恐々としていましたが、挿入歌として挟まるタイミングとしてはバッチリで、密かに楽しみにしていたスーパーダサ赤楚タイムの爆発力を上げに上げてくれました。
しっかしなぁ〜エモの安売り、というのもさることながら、今作はなんといってもキャラクターが酷え
人の心とかないんか?
まず香澄。
遠距離恋愛中の男子大学生を狙わないなんて、それはもう優しいとかではなく単純にそこまで好きではなかったのでは……?
次に琉晴。
いい人通り越しまくってもはやバカなん?それすらも通り越して可哀想が過ぎる。
それに、いつどうなるかもわからない母親を置いて娘を東京に行かせるなんて、ちょっとそれは酷いですよ。
美海も時間はあったんだから、せめて琉晴にも自身の血を分けた子供を遺してあげたって、別に描写のバランスはそんなに崩れないだろうしバチも当たらないでしょうに。
しかしまぁ、美海と湊のことを考えれば再会させなかったりMDをパクったりしたのはまだ許される範囲でしょう。
それぐらい不憫過ぎるキャラでした。
美海もなぁ……。
病気になる必要あったんかなぁ
おそらくは陽葵を東京に向かわすための犠牲になったのでしょうが、遺伝と予想させる隙間もなく病名も明言されず、他にも病気キャラがいたので軽く食傷気味。
上述の恐々とした理由としては、『366日』の原曲の歌詞に美海を当てはめようとすると、出るわ出るわ湊のクズっぷり。
そうでなかったからいいものを、妊娠したんだったら恋だなんだと言ってないでちゃんと責任は取らせましょうって。
最後に湊。
2年間も美海を待ち続けて大学生活を送っていたことは、ファンタジーな気もしますが偉いと思うものの、その後の行動がなぁ
まず、入社一年目?で東京のどこかわかんないけど同棲するには部屋広過ぎない?家賃とか大丈夫?
あとはまぁ、母の病気のこととか、好きな人の幸せのこととか、美海が決めたことだからとかありますが、なんで認知しないルートの話になったんだろうか。
そのせいで湊がフッた女性のことをいつまでも引きずり続けるダメ男から、就活中の女性に中◯しして認知しないまま逃げるゲス男に昇格?してしまった。
これも上述しましたが、原曲がスーパーダサ赤楚タイムを押し上げてくれたのは美海が亡くなって会えない存在に結果なってしまったからであって、これで美海が元気なまま幸せだったら勝手にフッて勝手に感慨に耽る、もはや変な奴になっていたと思います。
『366日』にインスパイアされてちゃんと曲も挿入していたものの、HYの他の楽曲で挿入歌になったのは有名な『AM11:00』だけ。
これは大衆ウケ狙ってるのがバレバレというか、その割にMDという今の若い世代にとってはよくわからないであろうものがキーになってるというチグハグ具合。
時代設定もちゃんとしていたのかあやふやだし、沖縄の気候とか東京との違いとか、ちゃんと考えて衣装とか準備したのか、細かいところまで気になってしまいました。
だから安易というか浅はかというか、エモは安売りしちゃあいかん。