画つくりから『ゾディアック』のような完全なノンフィクションだと思って観ていた。しかし見事に裏切られた。一般的な映画評ではハプニング型のコメディに分類されるようであるが、個人的にはコメディには感じられなかった。しかし言われてみれば、主犯の首が締まってゆく様子に少し笑みを浮かべてしまうような部分はあるかもしれない。犯罪計画の主犯が、実行犯側のハプニングの連鎖により自業自得を超えて、真綿で締められるように、あるいは天罰のように意図しない重大犯罪へと追い詰められてゆくプロセスとプロットにオリジナリティを感じる。
爆笑はしないコメディ、ほくそ笑むようなコメディである。全般がスプラッター型殺人なので、やはり笑ってよいのかどうか微妙なところではある。
