アッパーミドルの夫・医師（主人公・トム.クルーズ）の愛をイチイチ疑い確認する「メンドウクサイ」タイプの妻。妻の浮気と逆切れがトラウマになってしまい、妻以外の様々な女と関わろうとする主人公。結局、性行為寸前に去勢されるかのように機会を失い続け、元の鞘に収まっていく。それだけの話。
名監督キューブリックであるためドラッグ・オーバードースのあたりからサスペンスやサイコ的展開があるかと期待したのだが、なんの捻りもなく夫婦の恋愛・嫉妬の心境を描いた映画。キューブリック作品の中では個人的に高くは評価出来ない。
ただし男女の乱れの多様性がアメリカの資本主義的階級社会の中で描かれている点は面白い。街角から自分のヤリ部屋に誘う貧困な立ちんぼ女、大富豪主催のパーティーでのモデル子たちの誘惑、イスラム宮殿ハレムような場所での怪しげな秘密結社的、儀式的仮面乱交まで様々である。しかし主人公の医師にはどれにも妻以外に性の場所（タイミング）がなかったようである。責任者は誰か・・・
