吉田大八監督 ギークピクチャーズ 吉祥寺アップリンク
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 3/9
筒井康隆原作の映画化、ということで楽しみにしていました。原作未読でも。筒井作品でちゃんと読んだのは、家族八景シリーズ、そして何と言っても私の世代だと「文学部唯野教授」です。この作品は何度も読みましたけれど、本当に笑えて学べる本。そんな筒井元作作品を、あの「桐島部活止めるってよ」の吉田大八監督が撮るわけで、凄く期待値上がってしまいましたが、かなり面白かったです。
古い日本家屋の朝。老境に入った男(長塚京三)が眠りから醒めて朝食の準備をはじめ・・・というのが冒頭です。
渡邊儀助(長塚京三)はフランス文学の教授でしたが退官して10年くらい、妻にも先立たれ、古い日本家屋で1人で生活しています。
教え子からは、古井戸の修理、雑誌のエッセイの連載、など頼まれる事があり、生活を律していますが、その生活をモノクロで描かれていて、大変にシックに見えます。
しかし、その平穏も崩れ去るのですが『敵』がなんなのか?とても漠然としていて、こういう所が凄く筒井作品!と感じられます。
私は敵とは、老化の事、と感じましたが、自分と言い換える事も出来ますし、世界と捉える事も出来ます。
そう言う意味で観た人と話し合いたい気分。
教え子に瀧内・由宇子の天秤・公美、そしてもうどこで出てきてもおかしくない、河合優実、役者も流石で目の演技サイコーな松尾貴史、どう考えても教え子の中ではダメな方の松尾・まずは君が落ち着け・愉など、出演しているどの役者さんも素晴らしかったです。
これは原作読まねば!な映画でした。
筒井作品が好きな方にオススメします。