TakayukiMonji

敵のTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

(2025年製作の映画)
3.9
公開枠が減りそうだったので駆け込み鑑賞。
原作は未読。おそらく小説の世界観が多分に表現されているのだろう。モノクロの意欲作。
妻に20年前に先立たれた元大学教授のルーティンを淡々と映し出す前半から次第にルーティの歪みが発生していく妄想劇。モノクロによって現実と妄想の境目が見えづらくなることで、スリリングでゾクゾクとする空気感があった。日本家屋のモノクロ効果あり。
フランス文学を教えているというプライドと気品さのある初老の男の頭の中はいやらしい妄想に溢れているという面白さ。
この妄想の中の敵は、老い(痴呆)の恐さ、急にやつらはやってくる。

フードコーディネーターの飯島奈美さんは、荻上監督の作品が代表的だが、モノクロでもこのクオリティかぁと、序盤から唸った。目玉焼きひとつとっても、こんなに美味そうに質感のある仕上がり。

河合優実、中島歩は、ほんと良い出演作を抑えてるな。
TakayukiMonji

TakayukiMonji