プライドや羞恥心を捨てて、両親が娘に向き合っていたらどうだったのだろう？ それを他人である観客が議論あるいは批判するのは無意味であるのはわかる。
“家族という呪い”と言ってしまうのは残酷だろうか？ それはこの映画の家族だけでなくどの家族にもある事で、これを観る人は劇場でそれぞれの呪いみたいな物に思いを馳せながら観ていたのでは？ かく言う自分も、死んだ父や健在の母や妻の事を少しづつ考えながら、とはいえ具体的に何がリンクするとかそういうわけでもなく、心をザワつかせながら鑑賞した。
本当にタイトルの通り“どうすればよかったか？”という話を、撮っていた素材だけで、説明を最低限に抑え、よくぞここまで筋の通ったわかりやすい映画として編集したものだと感心してしまう。
陳腐な言い方になってしまうけど、この作品を世に出す事で藤野知明監督の気持ちが少しでも安らかなものになっていればいいなと願ってしまう。
