【第20回大阪アジアン映画祭　コンペティション部門出品】
バングラデシュのマクスド・ホセイン監督の長編デビュー作。大阪アジアン映画祭コンペに出品されている。

これまた優れた作品。貧しく母の介護をする女性が降りかかる苦難を描いた作品、苦しい話ではあるが過度に重くせず人との交流を通じた人情話として仕上げていることに好感が持てる。

主役のサバ役の俳優さんもいいが、職場の上司を演じた俳優さんが名演。優しく思いやりのある上司を見事に体現していた。

サバのとった行動は追い詰められた末とはいえ擁護できるものではないが、彼女の葛藤や苦悩をしっかりと描いていて好感が持てる。終わり方もとてもいい。これからあの二人がどうなるのか、どんな関係を築いていくのかは観客の想像に任せられる。でもきっとあの上司は許すんだろうなぁ。

バングラデシュの底辺で生きる人々の悲哀を描いた人情花話として完成度が高い。男女の垣根を越えた友情と愛情、追い詰められる弱者、そういったバングラデシュの今を切り取った作品として重要であると思う。

苦しい話しながら底辺で生きる人々の優しさと交流をしっかりと描き、かつ貧困の現状を告発する社会派映画でもある。長編デビュー作とは思えない完成度で紡がれるストーリーテリングに支えられた秀作。

• #第20回大阪アジアン映画祭

共依存のような母娘二人暮らしの中、母の手術代を借りれる相手は親戚とバイト先で知り合った男性のみ。狭い世界の中、そうまでしないと生きていけない貧困という現実や問題を抱えた国なんだと知る。それでもその次の予感をいくつも連想させるようなエンディングの余白に希望があればと思う。医療費って最近特に問題になってたからお国は違えど似た話もいつかありえるんやないかなとなんだか重ねて考えちゃった

• #大阪アジアン映画祭2025

大阪アジアン映画祭で上映予定のバングラデシュ映画。
心臓が悪い車椅子生活の母と、幼い頃から母の世話を一人でし続ける娘の物語。
最後彼女がどんな選択をするのかは観客の想像に任せる、と言った終わり方だった。
彼女が悲しみを共有できる相手が彼であることを願う。