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ビートルズ ‘64のkissenger800のレビュー・感想・評価

ビートルズ ‘64(2024年製作の映画)
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知らない映像が見たかった勢が多数ですけどスモーキー・ロビンソンが、あのスモーキーがよ、「あれだけ自分たちで名曲を持ってる彼らが自分の曲をレコーディングしてくれたんだよ、そんな作曲家冥利に尽きることある?」って喋る数分だけでこちとら胸がいっぱいなんですよ。
だってそれ、1967年6月1日に発売したアルバムオープニング曲を6月4日のライブオープニングで演奏されて、あんな感動したことはないね。ってポール・マッカートニーがジミ・ヘンドリクスの思い出を語ったSgt. Pepper'sエピソードと一対なわけじゃん。
それに近い話でいくと、ジョージ・ハリソンがラジオ出演でオンエア曲の前フリを求められて棒読みする「ジェームズ・レイの『セット・オン・ユー』です、どうぞ」ってところ。
ジョン追悼アルバムを出した1981年以降パッとしなかった彼の、ああ、久しぶりにポップじゃん。ってカバーバージョンを聞いた1987年の記憶が残っている俺たちに向けたスコセッシの目配せなことは明白で、つまりね、君らは文句を言ってりゃいいよ俺たちはそこかしこに隠れている「ああ」とか「おお」に感じ入るのに忙しいんで!(ジョンのマイクが小さい「シー・ラブズ・ユー」ではなく、ポールとジョージの声が入らないエド・サリヴァン・ショー映像、これ既出?)(リトル・リチャードのパット・ブーンdisは別に珍しくもないですが、ポールが臆面もなく真似してた文脈を、そうとは言わず伝えるやり口、さすがに手が込みすぎでは)(作品冒頭で流れるイレインの「オール・マイ・ラヴィング」カバー、とっても素敵やん。韓国の歌い手なの? え、みんな知ってた? マジで?公式YouTubeの再生回数1605なんすけど?)

つまりね、自分が知らないビートルズの何かを見せろ、じゃないんですよ。「これはビートルズです。ってラベルが貼ってあるから安心して感動できる」そんな閉じた空間に安住せよ、と一度でもビートルズが言ったことがあります? 既成概念なんか壊してナンボですやん。って彼らはずっと言っていたわけでしょう(真顔)。
この作品にも「知らなかった」があるはずで、そういうのに反応しなくなっているアンテナの錆を落とすほうが生産的よねー。
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