ひとり芝居って初めて観たけど、とても面白かった。
ひとりの女性が、それまでの自身の人生についてを、ただひとりで、ただ喋っているだけの映画。
たったそれだけなんだけど、驚いた、大傑作。
たったひとりの俳優と、しかもワンシチュエーションで、こんなに面白い作品が出来てしまうんだ、って驚いた。
使える条件を最小限に絞り、その最小限の条件のもとで、映画で表現できることを最大限に引き出した、って感じの作品で、映画ってスゲえなぁ、って、つくづく思った。
で、この映画をジャンル分けするなら、ホラーだな。背筋が凍るほど恐ろしい映画だった。
『敵』ではエロい女を演じていた瀧内公美だったけど、あの人って元々がエロいオーラを出しているエロい女性なんだと思ってたら、、全然違うんだね。
『敵』のエロ気もイロ気も、あれは役作りなんだね。
この映画でも、セックスだの快楽だのってエロい話はするんだけど、不思議と今回は彼女にエロさを感じなかった。
それどころか、彼女の話は寒気がするほど怖かったし、今回の彼女は、エロさの微塵もなく、ただ人生に疲れ切った不便な女性にしか映らない。
あの人って、ひょっとしたら、とんでもない実力を秘めた大女優なんじゃないの?
それと、この映画を若い頃の桃井かおりにやらせたら面白かったろうな、、って思ってたら、エンドロールに、【企画協力 桃井かおり】を発見してびっくり。
調べてみると、同原作で『火 Hee』っていう桃井かおりが監督兼主演作品があることを知る。
CGをはじめ、撮影技術の進歩によって、映画は飛躍的に進化して来た。
でも、アイデアや役者の演じる力、それら人間が本来から持っている能力だけでも、それを最大限に引き出せたなら、こんなに斬新で面白い映画が撮れてしまうんだ、って、カルチャーショックを受けた。
観た後に気分が良くなる作品ではなかったけれども、映画という芸術に秘められたパワーを感じた大傑作の一本で、ヒッジョーーーーに、面白かった。