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遊星よりの物体XのKenzOasisのレビュー・感想・評価

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)
3.5
「ゆでる 煮る 焼く 炒める」

北極の基地近くで氷漬けになったUFOと謎の生物らしきものが発見され、軍人や科学者らで解明を進めようとするが、“物体”は血を求めて静かに襲いかかる。

「遊星からの物体X」の元になった映画もついでに。「遊星からの物体X」がそうであったように、たしかにこんなのを幼少期に観たらさぞかし衝撃だっただろう。宇宙からきた未知の生命体が、解明する間もなく襲いかかってくる。銃が効かないという緊迫感はさすがだった。

そんな中でも主人公が意中の女性と軽いジョークを飛ばしたりする感じが、この時代の映画らしい。

主に会話劇であり、軍人としての正義感、記者としてのスクープ根性、科学者としての“未知”への熱量は上手い具合に感じられるし、それぞれの立場の違いを巧みに活かした流れが良い。

致し方ないけれど、“物体”はデカくてちょっと怖い人間なだけ感はある。服着てるし吐く息がみんなと一緒に白いしね。それでも登場頻度を減らして「いつ来るのか?」「今にも迫ってくるのでは?」という見せ方なので、やはり見事な映画だとおもった。
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