へちまびと

悦楽共犯者のへちまびとのレビュー・感想・評価

悦楽共犯者(1996年製作の映画)
3.6
学生時代、ヤン・シュバンクマイエルに凝っていた時期に見た。
ヤンの作品は短編なら「男のゲーム」が好きだが(Youtubeで検索すると出てきます)、長編でいうとこれが好き。

アリスインワンダーランドやオテサーネクもいいが、商業性一切無視で最もヤンの変態性が滲み出た作品としては本作が最極右だろう。

ざっくり言って各々が各々の方法でオナニーをキメるというどうしようもない話なのだが、どうしようもない話なぶんコマ撮りアニメ技法の凄さがかえってよくわかる。

またコマ撮りばかりフォーカスされるヤンだが、コマ撮りじゃないシーンでも台詞無しで起こっていることをすべて映像で表現してしまう「普通の映画監督」としての卓越した腕力も見逃せない。

もちろん子供に見せられたものじゃないので、見る時はひっそり見ましょう。