このレビューはネタバレを含みます
「悦楽」という言葉を辞書で引くと、(喜び楽しむこと)と最初に出てくる。
これはまさにこの映画を観ている時の僕の精神状態を表す言葉にふさわしい。
自らの快楽だけを追い求める「超変態」をシュールに描いた名怪作である。
と、ここまで格好をつけてレビューを書いているが実はこの映画、「何人かのイカれた性癖を持つ超変態がそれぞれの自慰器具を作る」という何とも(ユウリlike it!!)なストーリーなのである。
特に、「パンのクズを丸めたモノを大量生産し、鼻と耳の穴に詰める郵便局員」は僕を悦楽状態へと誘う強キャラであった。
しかしその事実をも凌駕する、もう一つの衝撃の事実がある。この映画、僕は家で見たわけではない。なんと、あろう事か大学の図書館で鑑賞したのである。
というのも、あらすじも何も知らずに「悦楽共犯者」という題名だけ知っていた僕は、それを図書館のDVDコーナー見つけてからというものの、「ここで出逢えたのは奇跡」レベルで嬉しかったのだ。こうなると観るしかあるまい。もうホント、すぐ観た。すぐ観たすぎてと人通りが多いDVDコーナーの一番近くの席で観た。
僕は最初のシーンから最後のシーンまでひたすら口に手を当てて笑っているのを誤魔化していた。多分というか絶対隠せていなかった。僕はこの一件を「悦楽事件」と呼んでいる。
この事件以降、僕は図書館にはあまり行きたくない。また同じ過ちを繰り返してしまいそうだからである。
様々な「超変態」が出てくる名怪作ではあるが、「悦楽事件」の概要を見て分かるとおり一番の「超変態」は僕である。