1時間半があっという間で、気がついたら2日間が終わっていました。
あっという間なだけに展開が早くて最初は追うのが大変でわけわからない内に色んな事態が起こるんですが、結果的にはとても濃厚だったように思います。
この映画は観る人の目線によって感想が全然変わると思いました。
本当あった事件の記録
オリンピック
ドイツ
報道
悲惨なテロ
テロの起きた背景
最前線で働く女性(これは少しだけだけど)
劇中の視点もまさにどんどん変わっていくから、展開が早く感じるんです。
で、振り返ってみると
52年経った今もこの映画の中で起こっている事や人々の行動全て、まさに同じような事が繰り返されているのです。
地続きのようであり、今の方が技術の発展とSNSのせいでもっと悪化してるかも。
怖い。まじでやばい。
この映画は史実をメインにした映画ではないと感じました。
最初は報道に関わる者として「伝える」ことがメインだったはずが、現場制作人はどんどん報道ハイになって歯止めが効かなくなる上に、スポーツ班の判断不足とドイツの対策不備がまるでサスペンスのように、でもとても愚かに描かれます。
それに追い討ちをかけるのは、続行される試合と事件現場の外の様子。
シビルウォーのとある街のあの感じにも似てる。
なんだこれ…と愕然とする反面、もしかしたら自分も同じような感覚で世界の悲劇をどこか他人事としてみてやしないか?
と、気付かされる。
報道のあるべき姿、人としてのあるべき姿。
人種や社会問題の先にある命。
登場人物全員が私達観客の可能性がある。
最近の映画のテーマとしてはよくあるけれど、見せ方としては凄いと思いました。
きっと、なにこれつまらない…って人もいるだろうし、報道のあり方、イスラエル!パレスチナ!的な感情がメインで観る人も居るだろうし、昔のTVの中継はこんなに技術者が重要だったのかぁ、な目線の人も居るしね。
1番凄いのは指示に的確に対応し、カメラの前でずっと喋り続けるジムに違いないのは確かっす。
ありふれた教室の先生も、マリアンナを的確に演じていて良かったです。