1972年9月5日にミュンヘン・オリンピックで起きたテロ事件を描いた実話のドラマ化。
パレスチナのテロ組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に立てこもった事件です。
本作では、現地にいたスポーツ番組の放送クルーの視点から事件の様子がドキュメンタリータッチで緊張感タップリに描かれます。来月のアカデミー賞では脚本賞にノミネート。
当時、私はまだ小学生で、1969年のアポロ11号の月着陸はおぼろげながら覚えているのに、この事件の記憶が無いのは私がオリンピックに全く興味が無かったからでしょうか。
この事件や“黒い九月”の名前を知ったのもかなり後のことです。
ちなみに1977年の劇場爆破予告によるジョン・フランケンハイマー監督作『ブラック・サンデー』の日本公開中止事件はよく覚えてます(同映画にも“黒い九月”が登場)。
そのせいで、この作品は視聴の叶わぬ幻の作品となったため、公開前に試写会で観たという人が羨ましかったものです(何年も後にレンタル・ビデオで観れるようになりましたが)。
本作を観て、ぼんやりとしか知らなかったミュンヘン・オリンピック事件のことが、いまさらながらよくわかりました。
同じ事件を扱った映画に、1976年公開の『テロリスト・黒い九月・ミュンヘン』というウィリアム・ホールデンやフランコ・ネロが出演した映画もあるようです。
そして、本作で描かれた事件後のイスラエルによるパレスチナへの報復作戦が実話に基づき描かれたのがスピルバーグ監督の『ミュンヘン』(2006)。こちらもずっとスルーしてきましたが、これを機に観てみることにします。