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そして、神はカインに語ったのHKのレビュー・感想・評価

2.8
当時マカロニ・ウエスタンの悪役専門(?)だったクラウス・キンスキー(当時43歳)の貴重な主役作品・・・ですが・・・それだけ?
マカロニにしては珍しく凝った邦題だと思ったら原題直訳。
原題 “E DIO DISSE A CAINO”(英題:AND GOD SAID TO CAIN)
私が観たのはU-NEXTの英語版で後者。
この聖書の一節、ラストでもっと長めのフレーズも出てくるんですが、思わせぶりなだけで大した意味はないような・・・

序盤、無実の罪で投獄されているゲイリー・ハミルトン(クラキン)は、いきなり大統領の恩赦により10年ぶりに釈放され、その足で復讐のため故郷へ向かいます。
主人公の過去や復讐の理由をグダグダ説明しない省エネ展開は潔いが・・・

嵐の夜に鳴り続ける教会の不気味な鐘の音。
なんだか雰囲気がホラーっぽいと思ったら監督のアントニオ・マルゲリーティは『地獄の謝肉祭』なんかの監督だとか。
音楽はカルロ・サヴィーナ(昔のマカロニ主題曲のオムニバスLPにはサントラ以外の演奏でカルロ・サヴィーナ管弦楽団が多かった記憶。あとウーゴ・モンテネグロ楽団とか)。

顔は怖いけど、あまり強そうじゃないし銃裁きもいまひとつのクラキンがたった一人で何十人もの敵を次々に葬っていきます。
どうみても悪人顔なのに、たまにイケメンに見える瞬間もあるのはさすが主役。
クラキンはこの2年後にヴェルナー・ヘルツォーク作品『アギーレ/神の怒り』の主役で話題となり、その後『ノスフェラトゥ』『フィッツカラルド』など芸術路線もこなすことに。

しかし、本作なんでこんなにfilmaの評価高目なの?
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