終盤にクロスカッティングされる男女の語りの背景にそれぞれBGMとして流されるハワイアン音楽とクラシック音楽の異質な組み合わせがあまりにしつこく反復されるので、ユーモアは当然のこととして、そのおふざけの中で語られる言葉そのものの真偽が宙吊りにされる感覚へ誘われる。少女の孤独のまなざし（しかも単なる孤独感というよりもピンポンダッシュなどの遊戯性も孕む）を通して、周りの社会そのものを、その純粋な挑発的行為によって異化してみせるというのは、ある意味正しく教育的というか、ヴィゴや小津にも似た子供に寄り添う身振りとして感じられた。

ドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形in東京2024

「人は死んだら天国かシェル石油に行く」とベッピーが言っていた。みんなそこで燃やされるらしい。