Pepe

サンセット大通りのPepeのレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
4.6
IMDb映画トップ250---53位
フィルム・ノワール映画で1番好きな作品でもあり、ハリウッドに住んでる今、作中に出てくるロケーションも家からかなり近いので個人的に愛着のある映画、
特にサンセット大通りは家の目の前だからなんか誇りに思える笑
コメディ映画の印象の強いビリー・ワイルダー監督だけど結構ダークでシリアスな映画の方が得意なんじゃないかなと思う。

ストーリーは…
売れない若手の脚本家とサイレント映画時代の栄光を忘れられず世間から忘れられた大女優の愛(?)と悲劇の物語であり、ハリウッドの映画産業の闇を映し出した映画

とこのような物語なんですがまずこの映画で好きなのがオープニングなんですよね、
サンセット大通りにある大豪邸のプールに浮く売れない脚本家の死体。

始まってすぐに
「なんで売れない若い脚本家がこんな大豪邸で殺されたんだ?」と不思議で仕方なくなる。
この映画は3人のキャラクターを中心に物語が進んでいきます。

サイレント映画時代の栄光を忘れられない大女優、ノーマ

売れない若手の脚本家、ジョー

ジョーの親友の婚約者で脚本部員、ベティ

この3人は誰もが悪い行いをしているのにも関わらずどうしても同情してしまう気持ちが生まれる。
なぜなら真の悪がこの映画に存在するから
それがハリウッドであり映画産業だと思う

ハリウッドでの成功を夢見て、栄光のためにはどんな犠牲も払う3人が
ハリウッドに飲み込まれ吐き出される悲劇の物語。
この映画は間違いなく「ハリウッド」という悪を描いた作品。
ハリウッドの光と陰を描いた映画は
この映画に影響されたリンチ監督の
『マルホランド・ドライブ』や最近だと
『マップ・トゥ・ザ・スターズ』があるけど1950年作の『サンセット大通り』ほど素晴らしく成し遂げた映画はない。

また名台詞が多い映画でもある
「私は大物よ!小さくなったのは映画のだわ」や
「デミル監督、クローズアップの用意ができたわよ」
など名台詞がたくさんあります。

そして素晴らしいオープニングよりさらに素晴らしい狂気のエンディング。
大好きなエンディングの1つです。
ハリウッドを批判した映画でもあり
1950年代と今とは全く違う社会に公開された今作はハリウッドで大問題になりワイルダー監督はハリウッドから追い出されるかと思いきやアカデミー賞11部門にノミネートされましたが
残念ながら『イブの総て』に6部門持っていかれ(仕方がない笑)
受賞3部門にとどまりましたが間違いなく映画史において、最高の映画の1つです。
Pepe

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