上司のムーアも悪いけどチャーリーだって悪い。仕事中にインクワラインとチャットしたり極秘ファイルを手に入れるのはありなのか。それをネタに上司を脅すのはありなのか。情報にアクセスし妻を殺した犯人を特定するまではいいけど、命令なしで犯人たちを葬るのはありなのか。上司の不正を長官にあげて、特定した犯人を捕まえることを進言すべきでしたね。そうすればあれだけの犠牲を払わなくて済んだんじゃないのか。仇討ちというのはある意味私怨、私刑なので物語としては留飲が下がるので共感が得られやすいのかもしれないが、現代社会では本来許されるべきことではない。しかも国の機関を使うなんてありえない。また高所のプールを破壊する際にその下の安全確保はしていたんだろうか。敵討ちのために関係ない一般市民を巻き込んではいけない。一方でインクワラインは独自に活動していたんだろうか。夫の方はもともとKGBなので極秘情報を手に入れることはたやすかったかもしれないけど、どうやって極秘情報を手に入れていたんだろう。チャーリーはシラーに拉致されることを予想していたんだろうけど、即殺されることは考えていなかったんだろうか。いわゆる不審人物なので港で手下にぼこぼこにされてお仕舞いということだってあり得たはずなんだけどなあ。原作は1981年のものなので世界情勢やハッキングなど現代にアレンジしなおしてはいるんだろうけど、夢物語の域を脱していないように感じられてしまった。何も考えずに見ていればまあ面白いんだけどちょっと振り返るととても残念な映画でした。