こなつ

Dear フランキーのこなつのレビュー・感想・評価

Dear フランキー(2004年製作の映画)
4.2
2004年イギリス映画。スコットランドを舞台に父親の暴力で難聴となった少年と、その少年を守るためにある嘘をつき続ける母親の姿を描いたヒューマンドラマ。

暴力的だった夫から逃れるために引越しを繰り返している母リジー(エミリー・モーティマー)。息子のフランキー(ジャック・マケルフォーン)が父親に書いている手紙に、父親に扮して返事を出していた。
ある日、友人マリー(シャロン・スモール)に紹介してもらった見知らぬ男(ジェラルド・バトラー)に一日だけフランキーの父親役を演じてもらう。

夫から見付かるのを恐れて逃げてきた港町は、哀愁が漂う情景。身を隠して生きる親子の切なさが一層胸に迫る。謝礼を払い頼んで父親役をやってくれた見知らぬ男は、リジーに見せてもらったフランキーの父親への手紙を読み、誠心誠意父親役を演じようとする。ジェラルド・バトラーが不器用ながらも優しさの滲む男を好演。

男が実の父親でないことを見抜いていたフランキーは、母の為に父親の正体を知らない振りをする。それぞれが相手を思い、嘘を演じる。

味わい深い感動作だった。
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