ロベール•ブルッソン監督は、普段演技経験のない俳優さんを起用し、自身の作品に二度出演させない監督さんなんだとか。
配信もなく、劇場で公開していることが貴重な作品みたいで、どのような映像を観ることができるのだろうと期待しながらも、美しい映像の虜になった。
恋人たちの周りの音に耳を澄ますと、ヒールのカツカツと言う音が鳴り響き、その靴の音がフランス人のオシャレ意識の高さを象徴しているかのようにも感じ、とても心地良い響きも印象的だ。
この作品でヒロイン•マルト演じるイザベル•ヴェンガルテンという女優さん、すでに亡くなられていることを知りとても残念に思いながらも、フランス人の妖艶な美しさを惜しげもなく披露されていて、とてもキュートでもあり、どの場面も芸術的に映っていて素敵だった。
マルトが裸で抱き合っている場面や、ドラマなどでも用いられるとドキドキしてしまうテーブルの下での手の動きなどは、きっとこの作品が原点なんだろうなと思った。
4日間の淡い夢を観た、素敵な作品だ。