にゃんこむ

猿の惑星・征服のにゃんこむのレビュー・感想・評価

猿の惑星・征服(1972年製作の映画)
3.6
『猿の惑星』旧シリーズ4作目。
どの作品もどれも別格な衝撃を受ける作品ばかりですが、今作はある意味私にとって一番衝撃的な作品です。(猫的な意味で)

今作はコーネリアスとジーラの子供(マイロ)が保護され成長し、ある都市を訪れるところからストーリーが始まります。人間は猿の知能に着目し、奴隷として使うほうが有益だという事に気づきむした。過酷な環境で労働している猿達を見て衝撃を受けたマイロは言葉を発してしまいます。コーネリアスとジーラの一件で人々は言葉を話す猿に対して非常に敏感になっており……。

人の言葉を話すのは許さないくせに、労働力として適度な知能は欲するというのは非常に都合が良い考えですよね。
今作は一連のシリーズの中で、より人種差別に対する批判を感じました。

マイロの犬や猫と自分達は何が違うのか?という問いかけがとても心に響きました。
しかし、同じ種族だからこそ憎いという人間の考え方も、嫌な考えですが理解できる部分があります。
似たような姿形をしているからこそ、嫌でも目に付く。同じような生き物だから仲良くしようね、とはいかず、自分の方が優秀であるはずという傲慢さから、異なった部分を攻撃する。肌が黒いからとか、そういう本質的には関係ない理由で。

開始早々、
マイロが成長するまでに人間達が猿を奴隷にするまでに調教する世界って無理があるなぁ、とか。
チンパンジーとか猿達って人間よりめっちゃ強いはずなのに、身体機能は人間並みなのね、とか。
ツッコミどころはその他にも色々ありますが、虐げられてきた猿達の怒りが爆発する後半や、込められているメッセージ性はとっても好きな作品でした。
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