このレビューはネタバレを含みます
芸術家が部屋に作った段ボールハウスが大迷宮になってしまうお話。
ホラーっぽい見た目で、カテゴリはコメディ/ファンタジーだけど、個人的にはアート映画だと思いました。
とにかく美術面が凄い。
素材はほぼほぼ段ボールなのに、どれもコンセプトがしっかりしてるし、早着替え（？）のシーンでは衣装の作りこみの凄さに驚きました。
段ボールの巨象とか段ボール人間（？）とか段ボールミノタウロスとか、いろいろ出てくるわけですが、ただただ段ボールを切ったり貼ったりしただけではああいう映像は撮れないだろうなぁと感動しました。
カテゴリ的にはB級映画なのかな？でも掛かってる労力がケタ違いなはず……。
ストーリーも、部屋に作られた段ボールハウスに製作者本人が閉じ込められ、出てこれない。っていう状況から、撮影部隊が出てきて、まるで実際の救出映像のようなドキュメンタリーが始まったり。
そういった作中劇もあり、「この話はドキュメンタリー風の映画なのかな？」と勘違いしつつ、どこまで作中の人物も本気で撮影しているのかもわからず最初は困惑しながら見てました。
（最後まで結局どこまでが真面目に作られたストーリーなのか、ネタなのか、監督の真意は正直わからなかったです……）
大きく分けると現実パートと段ボール迷宮パートがあるのですが、その中にさらにドキュメンタリーシーンや心象風景（妄想？）シーンがあったり、ただのナンセンスコメディではない難解なところが、この映画の点数が低いポイントなのかな……。私も正直よくわからなかった部分が多いです。
映画自体は正直ハマらなかったのですが、常人じゃどれだけ頭を捻ってもこんな作品は作れないよな～ってのがわかってくると、この映画の事が好きになりました。
