Maoryu002

グッドモーニング、ベトナムのMaoryu002のレビュー・感想・評価

4.3
ベトナム戦争中の1965年、ラジオDJとしてエイドリアン・クロンナウア空軍上等兵(ロビン・ウィリアムズ)がベトナムに着任する。クロンナウアはラジオ放送でマシンガントークと軍指定の推薦曲を無視した選曲で放送を盛り上げる。ベトナムの人々とも交流するようになるが、しばらくして爆弾テロに遭い、放送内容を規制され、戦場の現実を知り失望するようになる。

バリー・レヴィンソン監督作品としては、「ナチュラル」「レインマン」「バグジー」と並ぶ名作の一つだろう。
ベトナム戦争映画ではあるが戦闘シーンはほとんどなく、第二次世界大戦での「大脱走」のように、異色の戦争映画と言える。
戦闘シーンなしで、戦争のむなしさや冷酷さ、アメリカの傲慢さ、そしてアメリカ人によるベトナム人に対する人種差別を的確かつ切実に訴えかけている。

また、ラジオから流れる音楽も映画の盛り上がりに一役買っており、特にルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」が秀逸で、戦場の映像とのアンマッチというか組合せがピッタリハマっている。ベトナム戦争と音楽という組み合わせでは、「地獄の黙示録」に匹敵するくらい印象的だ。

大好きなロビン・ウィリアムズにとっても、映画の世界でその名を知らしめた作品と言える。
そのトークの凄まじさには圧倒されるが、苦悩や反骨心の表現も素晴らしかったと思う。
「いまを生きる」と並んで特に好きな映画だ。
Maoryu002

Maoryu002