ウロチーカ

珈琲とミルクのウロチーカのレビュー・感想・評価

珈琲とミルク(2004年製作の映画)
1.5
JALってショートフィルムも流してるんですねー

ってことで、着陸まで2時間を切っていたので観てみることに。

しばしあらすじを読む…

なになに?
耳の聞こえない大人のおねーさんに小学生が恋をして、写真を使ってアプローチする…だと?

ほう…コレは良いオネシ…純愛が見れそうだぞ…


(てか観てからから気づいたんですけど、30minのショートフィルムであらすじなんて読むもんじゃないですね。ネタバレなんてもんじゃない 笑)


うん…
こーれは観るのしんどかった 笑

いやさ、なんていうか、例えるなら小学生の頃に書いた自分の詩とかポエムを大人になってから発見してしまった時の気持ち?
覚えたてのワックスつけて首から謎のネックレス垂らして最高にオシャレかました中学生の時の自分の写真出てきちゃった時の気持ち?

なんつーか

あーイタイ!
うわー!
イタタタタタタタ…!!!

って終始思いながら観てました。

ある意味30minでこんなに刺激されたならお得な気もするけど。


さて、ここから怒涛のツッコミを始めますよ。
汚いものが見たくない人は今すぐ閉じて高評価の人のレビューを見るべし。







あのなー!!!
全部薄っぺらいんじゃーーー!!!

まずセリフが良くない。
小学生が小学生の会話してねぇのよ。
『大人が考えた小学生らしい会話』
なのよ。全部。不自然なんよ。
大事なパンチラインのセリフを
『小学生らしくウンコで例えてみました』
じゃねぇのよ。
これは子役の子が悪いんじゃなくて、間違いなくセリフが良くない。センスない。

この映画のキモである、主人公の子がやってることって、小学生ぽさ皆無なことなわけじゃん?

じゃあ主人公の設定を『一生懸命な気持ちだけが先走ってる無邪気だけど無知な少年』じゃなくて、『同世代から見たら少し特殊で浮いてるような大人びた男の子』にしなくちゃ。
もしくはいっそ中学生にすべきだったと思う。

違和感しかないのよ!!!

無邪気な少年が、『写真でパラパラ漫画作って告白』思いつくか!?
てか友達写真上手いな!!!
せめて三脚で自撮りした設定にしろよ!
友達が撮ったって設定なのに手ブレ皆無じゃねえかよ!
友達は将来立派なプロカメラマンになれよ!


んで!!!


家庭環境の描写おかしいでしょ!
なんで家庭描写がごく一般的な中流層の家なんだよ!
子供に自由に使っていいフィルムカメラ1台持たせてんだぞ!?
アルバムとかパラパラ漫画作れる量の写真を自由に現像させてんだぞ!?
デジカメじゃないんだぜ?フィルムだぜ!?
フィルムを土手でいじらせるカット入れたかったのか知らねぇけどさ。

無理があるって 笑

いくらかかると思ってんねん。

これやるならマジでタワマンとかに住ませてさ、ちょっと嫌味なくらい金待ちな描写してさ、『ああ、この子供はアッパーミドルの家庭なのね。だから少し大人びてんのね』くらい思わせて欲しかったわ。

むしろその方が『子供だから他人の気持ちを考えれない』の説得力上がったんじゃないの??


全体的に言えることだけど


監督のやりたいオナニーと、主人公の設定が噛み合ってないんだよ!!!

あんたが考えたオナニーは大人のオナニーなんだよ!!!

主人公のあだ名が『ミルク』でヒロインが『珈琲』!?
あんた【コーヒー&シガレット】のタイトルオマージュしたかっただけだろ!!
あの白黒のオマージュタイトル出てきた瞬間正直冷めたわ! 笑
せめて珈琲もあだ名にしろよ!まさかの本名でビックリしたよ!
なに最もらしい名前の由来とか補足してるんだよ!
『名前も知らないお姉さん好きになっちゃって、コーヒー屋さんの店員さんだから珈琲さんって呼んでる』
くらいの方があの無邪気さなら合ってない?


あと序盤で急にフランス語で女の子の解説入れるところも激寒だったから。
監督はアメリも好きなのかな!?
好きなんだろうな!!


あとエンドロールの主人公が撮った写真を見せていくくだり!!!

あれはけっこう良かった(小声

でもでも!!
わざとらしい『小学生が撮ったわけですから、ブレたりピントが合わない写真もありますよー』ってのが鼻についたけどね。


もう本当、総じてこの嫌悪感の正体は
大人の考えたオナニーを子供にやらせんな!
ってところなんだと思います。




…ふぅ。出し切ったかな。

1.5をつけた映画なのに最近書いたレビューの中で1番長くなってしまいましたよ。

でも、正直言って
こうしてイタイ作品を作り切ったその熱意とモチベーションを割と本気で尊敬してます。

自分のポエムを作品として世に出すことのいかに難しいことか。

大半の人間が途中で
『あっ…俺のただのオナニーじゃんこれ…。恥ずかしい。作るのやーめよ』
ってなる中で

『うおおおお!!!!
これがワシのやりたいことじゃあああ!!!
ええやろ?この表現グッとくるやろ??』
ってできる人のなんと希少なことか。

大人になった今だからこそ言えるけど
昔クラスにいた、自分の世界観持ったイタイ奴のことを、自分は少し羨ましかったのかもしれない。

そんなわけで。とても良いオナニーを観ました。
ショートフィルム、癖になりそうです。

監督。
あなたに何も表現しない人間からのクソみたいな批評と1.5の点数を。
そしてそんな人間からの最大のリスペクトを捧げます。
また力強いオナニー見せてください。
お待ちしてます。
ウロチーカ

ウロチーカ