陸奥流れ者

心のともしびの陸奥流れ者のレビュー・感想・評価

心のともしび(1954年製作の映画)
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被害者側への罪の意識がいつの間にか愛情に変わっていくという設定は、成瀬巳喜男の晩年のメロドラマ『乱れ雲』を思い起こさせる。やや強引な展開はご都合主義ともいえなくもない。しかも、ロック・ハドソンの献身、自己犠牲、贖いをよしとする世界観は若干説教臭いのだが、それを補って余りあるのが映像の美しさ。失明したヒロイン、ジェーン・ワイマンが普段観ている漆黒の世界とは対照的だ。

「デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ」於シネマヴェーラ。