岩井俊二
小樽と神戸
ガラス工芸家
主人公は藤井樹という恋人を山で亡くした博子。物語の展開としては、藤井樹という全く同姓同名の2人の中学時代と博子のいる現代が交互に描かれていく。そこへ、神戸と小樽という空間の移動も加わる。
少年は少女に心惹かれていくが、思いを秘めたまま転校する。その少年は成人し、少女そっくりな博子と出会う。山の遭難で博子は恋人を失うが、死んだはずの恋人藤井樹に手紙を書いてみる。思いがけず、返事が来たことに驚きつつも、恋人とどこかで繋がっているような気がして手紙を書き続ける。あたかも天国からのラブレターでもあるかのようにその送り主と交流し始める。そして、その手紙を通じて恋人の過去をたどることになる。結局、少女にやきもちを焼きつつも、自分と出会う前の恋人にもう一度、恋をしているかのような甘い時間となった。
自分の現在のパートナーの元カレ、元カノが自分ににていることがわかった時、人はどう思うのか。
出会った人の過去まで愛せる人間でありたい。
藤井樹を演じた酒井美紀と柏原崇は次の年、ドラマ白線流しでも共演する。
