HamanoTakuma

トロール・ハンターのHamanoTakumaのレビュー・感想・評価

トロール・ハンター(2010年製作の映画)
3.1
トロールハンター(2010年・ノルウェー)

地味な映画だ。とんでもなく地味。
だがそれがいい。

ノルウェーの映画で、北欧で昔から語り継がれる「トロール」を題材にしたノンフィクション風映画。

映像学校系?の学生達がクマの密猟者を追っかけてスクープを取ろうとしていたら、実はその人は政府お抱えのトロール・ハンターだった!彼はノルウェーを守るため、テリトリーを離れたトロール達を駆除して回っているのだ!

・・・だけど、ハンターは彼一人でバックアップもそんなにないもよう。情報収集も彼一人でこなしている。そのためとんでもなく地味。地方紙を買いあさってトロールが関係してそうなニュースをチェックしたり、大きな石の位置を書き記しておいて、後で見比べてそれが動いていないか確認したり・・・それがゆえに、「ハンター」としての地に足の着いた所作が垣間見えていて、まるで本物のトロールハンターのようだった。

北欧の文化やトロールについて詳しければもっと楽しめたかもしれない。

そして気になるちょいちょい雑な場面。
「今までさんざんおっかけ回されたトロールやっつけてすぐに笑顔とか感情の起伏どうなってんだよ」とか
「おおー魔改造ハンター車がノルウェーの道路を走ってるー・・・ってこれどこから撮ってる画なんだ(設定上は全部背負いカメラ1台のみ)」とか
「(トロールの生態を聞いて)なるほど!・・・ん?おかしくね?」ってなったり

例えばこれを同じPOVで怪物を取り扱ったクローバーフィールドと比べても、方向性の違い以上に細かい部分の詰めの甘さが際立つ。

じゃあこれは駄作か?というと・・・

うーん・・・

見れちゃうんだよなぁ~~~(笑)

細かい部分は気になるものの、北欧の綺麗な景色の中を、または神秘的で、それでいておどろおどろしい森林の中を疑似体験させてくれる。しかも全体的に本当に地味だから、それがゆえに平静な心のままずっと見てられる。

疲れた時に垂れ流しにしても良いかもしれない。
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