千年女優

ゲームの千年女優のレビュー・感想・評価

ゲーム(1997年製作の映画)
3.5
投資銀行で財を成すも妻子とは別れた孤独な中年男性で、母の死後に薬物中毒になった弟のコンラッドから「CRSクラブ」が主催するゲームの参加権を48歳の誕生日プレゼントとして贈られたニコラス・ヴァン・ホーン。半信半疑でCRS事務所に参加申請に伺った所それを境に次々と奇妙な出来事に見舞われる彼の姿を描いたスリラー映画です。

『エイリアン3』が不本意なデビューに終わった後の『セブン』で三億ドル超のヒットを記録して名を上げたデヴィッド・フィンチャーが続けて手掛けた1997年に公開の長編映画三作目で、マイケル・ダグラスとショーン・ペンが織りなすスリリングな物語が評価されて一億ドルの興収を記録。続く『ファイト・クラブ』への道筋を固めました。

小さな選択が大きな変化をもたらす人生そのものを表現する物語は予測不能で、フィンチャーらしい緊張感のある演出が五里霧中感を際立たせます。とは言え「人生のお勉強」としては些か強引で、極限状態で強制させてどれだけ意味があるかは疑問ですが、畳みかけるクエストと挟むユーモアで「ゲーム」としての面白さを担保する一作です。
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