『自由光州 —1980年 5月— デジタルリマスター版』が配信されているサービスは見つかりませんでした。
韓国が民主化を成し遂げたのは 38 年前 1987 年である。韓国の人々が自らの血を流しようやく民 主化を手にしたのだ。 遡る 1980 年 5 月。戒厳令を敷いた全斗煥による激しい民衆弾圧、光州事件が起こった。富山はこの弾圧に黙ってはいられなかった。 即座に反応し、版画作品「倒れたものへの祈祷」で巡回展を実行した。富山には、独裁者に対する憤り、犠牲者への鎮魂がある。 その強い思いが前田監督を動かし、翌 1981 年に本作が製作された。 映画では、リアルなニュース映像が事件の実態を伝え、影絵のように展開する富山の版画が弾圧と犠牲の本質を訴える。 そして、あるのは一人の画家と一人の映画監督の「ここを素通りしてはならない」という純朴な思いだけ。それがストレートな抵抗映画をつくりあげ、 諦めるなというエールを韓国の人々へ送っている。 世界は誰かが変えてくれるのではない。あなたの行動でしか世界は変わらない。富山と前田はこの短編でそう伝えている。
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