Kumonohate

真田幸村の謀略のKumonohateのレビュー・感想・評価

真田幸村の謀略(1979年製作の映画)
2.1
こちらも公開当時から存在を知っていたにも関わらず、今日に至るまで見る気にならなかった作品。ジュリーの「魔界転生」や薬師丸ひろ子の「八犬伝」と違って、出演者が豪華で大作感満点なワリには重厚感がゼロなところが違和感だったのかもしれない。

さて内容。

例えば、猿飛佐助は宇宙人だった(!)という設定なのに、別に宇宙人じゃなくても良くね?と思うくらいに、その設定は生かされていない。例えば、十勇士を集めるのに協力する尼僧たちがぽいぽいヌードになるのだが、別に脱がなくても良くね?と思うくらいに、脈絡がない。例えば、謎の幻術によって真田丸が空中浮遊するのだが、それが何故敵をおびき出すことになる?と思うくらいに、意味がわからない。

まあ、「真田風雲録」のお陰で、宇宙パワーだの幻術だのには既に免疫があるし、ヌードは脈絡など無くても嬉しいモノなので、「制作者が色々ぶち込みたかったのね」ということで納得できないこともない。だが、あれこれぶち込まれたごった煮であればあるほど、それらの行為を貫く強力な動機が必要なハズなのに、残念ながらそれが感じられない。何故、幸村と十勇士が、豊臣だの徳川などは関係無く、家康の首に執着するのか? 何故、そこまで家康が憎いのか? 動機や理由が殆どわからない。だから、ごった煮要素の意味不明さばかりが目についてしまう。

作品に入り込もうとせず、闇鍋をエンジョイする余裕を持って、鑑賞に臨むべし。
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