マーくんパパ

日曜日には鼠を殺せのマーくんパパのレビュー・感想・評価

日曜日には鼠を殺せ(1964年製作の映画)
3.5
『ジャッカルの日』の名匠ジンネマン、スリリングなテロスパイ戦を期待したらちょっと肩透かし。スペイン内乱から20年経過、フランスへ脱出した元共和国軍の闘士マヌエル(G・ペック)の逮捕に固執する現政権フランコ軍警察署長(A・クイン)、マヌエル母の危篤を餌にスペインに呼び戻して捕らえようと罠を仕掛ける。そこに登場するのが神父のO・シャリフ、法に従うか神の法に従うか、息を引き取る前の母からの伝言を一行の道程から外れてマヌエルに伝えに向かう神父。神父との対話から心を決め、あれほど殺された父の仇に署長を撃ち倒してくれと言っていた少年が心変わりして止めるのも聞かず単身罠が待ち受ける包囲された病院に向かうマヌエル…と目的が釈然としなくなりサスペンス度合いは薄まってしまう。現政権を卑劣な悪人臭感じさせスペイン国内では上映禁止になるいわく付き作品だったそうだが,果たしてジンネマンの狙いが何処だったのか判断微妙なところ。