けーはち

現代やくざ 与太者の掟のけーはちのレビュー・感想・評価

現代やくざ 与太者の掟(1969年製作の映画)
3.5
ム所から出てすぐ男(菅原文太)は電車の中で懐を掏られ往生、そこで運賃を建替えてくれたヤクザの男(待田京介)と因縁が芽生え……

主人公は独立愚連隊としてノミ屋やパクリ屋をやって結果ヤクザの縄張りを荒らし、友情を深めた兄弟分と対決する。義理と人情の対立。しかしヤクザの親分は命をかけた子分に対し一瞥もくれないクズ野郎なので昔気質の男がブチ切れて血塗れの結末が悲哀を誘う。無頼の世界に一人立つヤンチャさと渋味の同居した30代半ばの男盛りに白いスーツとトレンチコートに鮮血が映える菅原文太の出世作だが、彼を匿う彫り師に志村喬、弟分には山城新伍、小林稔侍、石橋蓮司といった有望若手がズラッとついてくるし、いかにも昔気質の渡世人の叔父貴役として若山富三郎が登場するのは期待値の高さが窺える、東映の新鋭ヤクザアクション映画。