8Niagara8

ラヴ・ストリームスの8Niagara8のレビュー・感想・評価

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)
3.8
プロットとしても映像的にも重たく、なかなかに排他的とも言える。
リアリズムは確かにあるのだが、姉弟この二人に流れる痛みは決して分かるものではない。対照的ながら彼らが持つ愛は当然周りを傷つけもするし、それ以上に自らをすり減らす加害性が強烈である。
とはいえどこか行き場のない孤独感を抱える彼らに嫌悪感や冷ややかな感情は起きず、寧ろその辛さを共有させるような。そんな視点のつくり方がうまかった。映像的なパワーは凄まじく、引きもアップも実に説得的。
笑いを誘い得るようなある種のシュールさがあったのは事実だが、なぜか全然笑えない。これには自分もびっくりした。
ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス両者の演技の最高到達点とも言えるような平静と狂気を行き来するその様はとても生命力に溢れてる。彼らの笑顔が持つ不安感は絶対的であった。
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