イチロヲ

ザ・拷問-新妻篇-のイチロヲのレビュー・感想・評価

ザ・拷問-新妻篇-(1987年製作の映画)
3.0
隷属の歓びを知った女性が、結婚を前提に交際していた彼氏を横目にしつつ、異常性愛にのめり込んでいく。日活ロマンポルノ末期「ロマンXシリーズ」の一遍。雄プロダクション製作。

男女カップルの合間にプロ調教師が割り込んでくるという、SM映画の典型パターンを踏襲している作品。奴隷化された彼女への嫉妬が原動力となり、彼氏自身が女調教師の居場所へと赴く展開が白眉となっている。

調教師・志摩紫光のパフォーマンスがメインかと思いきや、きちんとドラマが進行するスタイルになっている。彼氏がSMクラブで初プレイする様子をドキュメンタリー方式で収めており、自己探求を続けていく過程がユーモラスに描写されている。

「SM調教は互いの信頼関係のもとに成り立っていること」を提示させながら、性愛の多様性を真正面から語っている作品。行為そのものはドギツイのだけど、当人たちは異常性愛を共有しながら、充足した性生活を送っている。そこに憧憬の念を禁じ得ない。
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