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ザッツ・エンタテインメントのsensatismのレビュー・感想・評価

3.0
2021/11
MGMミュージカル映画そのものと当たり障りのない裏話をかいつまんで見て聞いただけなのに、強欲さとか富と貧しさとかひたむきな向上心とか、当時のアメリカがどんな国だったのかが感覚的に伝わってきた

子役を育成・輩出していたMGMの権力者で会社共同創始者の一人だったルイス・B・メイヤーは小児性愛者
ジュディ・ガーランドは当時ダイエット食品と称されていた覚醒剤を常用していた
「天国よりも多くのスターを擁する」と言われるほど名高い数多くのスターたちの給料は実際は低賃金だった

こういう良くないエピソードは少し調べればゴロゴロ出てくる
それでもMGMのミュージカルを愛せるのは完璧に娯楽に徹していてブレないから
健康的な肉体と精神、見合わない給料、会社のハラスメント、いろいろなものを犠牲にしながらもカメラが回っている最中は(もちろんそれ以外の場面でも)出演者もスタッフもエンターテイメント提供者になる
美しいと感じる
出演者の表情を見つめていると無理をしているのだなということがよくわかる
狂気で夢うつつになって幻を見ていたのだろうな
そんなやり方では続かないので結局MGMは破滅していったけどね

私はこういう思想も社会性も意味も何もないただ歌って踊って恋をして圧巻されるだけの単純でゴージャスで濃縮されたミュージカルを求めている

・無声映画からトーキーへと変遷した時代、
 ハリウッド俳優の起用も変化した 
 外国語訛りの俳優は無論NG、
 映画会社が目をつけたのは舞台出身の俳優だった 
 ブロードウェイ経験がある俳優は
 ハリウッドスターへの第一歩
 パスポートになった

・MGMのモットー
 「大きく、正しく、上品に」
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