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ザッツ・エンタテインメントのnamのレビュー・感想・評価

4.0
「栄華を極めた1930-50年代MGMミュージカル映画の歴史!」

1974年に製作されたミュージカルアンソロジー作品。この当時には既にベトナム戦争やヒッピー文化などミュージカル映画が下火だった時代に無声映画からトーキーに移り変わった1920年代後半から始まるミュージカル映画の黄金時代を名シーンを名優達の語りと共に振り返る内容です。

知ってる作品が数える程なくらい観た事ない作品ばかりだったのでかなり勉強になる内容でした。
当時のミュージカル映画の歴史は映画史的にも重要でアカデミー賞の2回目では既にMGMの「ブロードウェイメロディ」が獲得して、そこから黄金期が始まったのがよく分かる内容でした。

特にこの頃は明るく、色彩鮮やかで、豪華絢爛な歌や踊りばかりなので見ているだけで元気になるのが最高です。

特にフレッド・アステア、ジーン・ケリー、ジュディ ・ガーランドなど主要な俳優達は個別にフィルモグラフィを振り返ったりと見応えもあります。
彼らの優雅で異次元のステップはいまだに観ていて色褪せないし、ジュディの歌唱力や美しさもまた素晴らしいです。

有名な「オズの魔法使い」「バンドワゴン」「雨に唄えば」「パリのアメリカ人」などの名シーンもあるのでミュージカル入門としても相応しい1本になってます。

ただ本作がまとめられた70年代には既にMGMのスタジオは錆びれてしまっており、時代の流れを感じるのもまた切なかったです。

ただこの時のミュージカル映画のDNAはディズニーやララランドのような最近の作品などにもしっかりと受け継がれているので映画史を知る意味でも価値ありです。
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